2009年初&ラスト潜り−セミエビ君?&チャンバラ貝ゲット−2009年11月07日


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水揚結果
せみえび君?はなかなかかわいいです。
イモガイではありません。


   今年(2009年)はせっかく3mmのウェットスーツを新調したのに、まだ、一度も潜りに行っていません。そうこうするうちに早11月です。日によっては日中はまだまだ20度を超え、温かいのですが、朝夕は肌寒く、潜ろうという気は十分に萎えます。しかし、今日は快晴。おそらくこれを逃すと今年はもう潜りに行くことはないと思われます。やや遅めに準備をし、8時半頃家を出ました。

   どこに行こうかと悩みました。チョウチョウウオ系ならば、珊瑚域がいい。しかし、サザナミ君狙いならもっと南がいい。しかし、南は波が高い可能性が高い。などと考えつつも、車は徳島県を過ぎ、一路室戸岬方面へ。空は快晴、風もそんなにない。しかし、室戸へ近づくにつれて波打ち際は砕け散った白波で真っ白です。これではとても潜れません。半ば諦めながら、一応、一昨年、サザナミ君を捕獲したところを目指し、室戸岬の東側まで行ってみることにします。気のせいかもしれませんが、東側は西側に比べて若干波が小さい気がします。ということで、漁場は確定しました。

   早速、ウェットスーツに着替えてどこに入ろうかと思っていた矢先、「魚突くんえ?」(=ここら辺の言葉で、「魚突くんですか?」の意。)と、釣師のおじさんが声をかけてきました。これはいきなりものいいがついたかなと思いましたが、話を聞くと、玉網を落としたので、拾ってきてくれないかとのことです。潜ろうと思っていた方向とは逆で、しかも一旦水から上がらなければならない所だったので、はっきり言ってお断りしたかったのですが、「情けは人の為ならず」ということで、お受けすることにしました。ちなみに、「千円払うけん。」(=「千円払いますから。」の意。)と言われましたが、「ほんなんええけん。」(=「そんなことしなくてもいいですよ。」の意。)と言って報酬はお断りしましたので、決してお金がほしくてお引き受けした訳ではありません。

   玉網を落としたという所は少し沖の方なので、そこまで泳ぎますが、波が荒く、流れもきつく、行けども行けども前に進みません。ふと気がつくと、左足の足ひれが外れています。これでは前に進む訳ありません。幸い、外れた足ひれはすぐに回収できたのですが、取り付け部品が壊れてしまったので、装着不能になってしまいました。もう踏んだりけったりです。結局、左足の足ひれは諦めました。そうこうするうちに、なんとかおじさんが玉網をなくしたと言っている付近にたどり着きましたが、やはり波が荒く、波が岩にあたって砕け散り、水中は真っ白で、何も見えません。身の危険を感じる状態です。従って、すぐに無理と判断し、おじさんにはその旨を伝え、諦めて頂きました。しかし、「捨てる神あれば、拾う神あり」で、断念し元の場所に戻って行く途中で玉網を発見しました。おじさんの言っていた場所からはずいぶん離れています。おそらく波に流されたのでしょう。無事拾い上げて、おじさんに渡しました。おじさんは感謝して、「千円あそこ(=かごぐくたが着替えを置いてあるところ)に置いとくけん。」とおっしゃっていましたが、「ほんなんええけん。」と言って再度お断りしておきました。

   我ながら、ちょっとした親切です。きっと、巡り巡って、今日は大漁だ、とばかりに漁場を探しますが、不覚にもこの親切行為で結構体力を消耗してしまいましたので、岩の上で一旦休むことにしました。

   そして、休憩後。とりあえず、周辺をうろうろします。すぐにサンゴイソギンを発見。

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サンゴイソギン
初めての海中写真です。(Olympus μTOUGH-8000にて)
これ以外にも何枚か撮りました(オートで)が、ピンボケでした。

   サンゴイソギンがいるということは、クマノミ君がいるはず。ということで、周辺を探しますが、いません。たまにクマノミ君らしきお魚が行き来しますが、大きいので採集対象外です。

   ちなみに今回、海中撮影に備えて約半年前に購入したオリンパスのμ TOUGH-8000を初めて水中使用しました。説明書には10分しか水に浸けてはだめと書いてありますが、そんなことは不可能なので、無視しました。とりあえずまだ正常に動いています。

   家のサンゴイソギンはとうに消滅してしまいましたので、サンゴイソギンは捕獲対象です。しかし、なかなか採りやすい所にはいません。今回も岩の隙間にへばりついますので、捕獲は難しそうです。しかし、だめもとでトライしてみると、やはりイソギンは無理ですが、イソギンをいじっていると中からかわいいえび君が飛び出てきました。ウチワエビ?セミエビ?おそらくセミエビ君と思われます。

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セミエビと思われるえび君の拡大写真
捕獲時及び生簀からの脱走時に足を折ったかもしれません。

   これは無欲の勝利と言うか、まったくのラッキーです。やはり、「情けは人の為ならず」でしょうか。(ちなみに「情けは人の為ならず」というのは、人に情けをかけてあげると巡り巡ってよいことが自分に戻ってくるという意味であって、人に情けをかけるのはその人を甘やかすことになってよくないという意味ではありません。結構誤解している人がいます。この辺のお話は「常識問題−これぐらい知っててくれよ!(言葉編)」「常識問題−これぐらい知っててくれよ!(言葉編2)」をご参照ください。)

   さて、気をよくして他のお魚さんを探しますが、めぼしいものはいません。深場に行くと大きなブダイ君がいますので、銛を持ってちょっかいを出しに行きます。しかし、なぜかスムーズに沈んでいきません。???「3mmのウェットスーツ用におもりをはずしたっけ?」いや、はずしてない。じゃあ、なんで?このときはもちろん今もよく分からないのですが、@太った、A足ひれを片方なくした、といった理由だと思われます。そう言えば、おじさんの玉網を拾うときも妙に潜りづらかったのですが、そのときは単なる気のせいだと思っていました。どうやらそうではなかったようです。

   もともと食料用のお魚さん突きは余業ですので、すぐに止めて、本業の観賞用のお魚さんとりに専念します。しかし、やはり潜りづらく、しかも耳抜きをするも、なぜかあまりうまく抜けません。さらに、しばらくすると波酔いも始まります。お魚さんが少ない中、カンムリベラの幼魚がいましたので、捕獲を試みますが、やはりうまく潜れないので、あえなくリタイヤ。結局、たいしたお魚さんも発見できずに一時休憩とあいなりました。

   休憩してもなかなか回復しないので、もう帰ろうかなとも思いますが、目の前に波の静かな潮溜まりがありますので、まあ、サザナミ君ならいるかもと思い、再び水の中へ。主に岩の切れ目を丹念に見ていくも、サザナミ君はいません。戦意喪失し、いい加減に漂っていると、チャンバラ貝(マガキ貝)のよなうな貝がそこかしこに転がっています。貝殻かなと思って見ると、ちゃんと中が入っています。ただし、(猛毒の)イモ貝だったらいやなので、3つ拾って、ひっくり返し、そのまましばらく観察することにします。しばらくするとあの独特の目と手刀が出てきます。チャンバラ貝ということが判明したので、ここからはチャンバラ貝とりに専念しました。海の中で見たのは初めてですが、結構無造作に転がっていますね。

   そんなこんなで、潮溜まりとはいえ、波酔いもピークに達してきましたので、今回はこれまでです。岩の上でしばらく寝ていましたが、一向に気分はよくならず、時間が経過するだけですので、気力を振り絞って、帰り支度を済ませ、帰路につきました。

   帰り道、まだ時間があったので、いつもの徳島県最南部の漁港をちょっとだけ覗くことにします。特に何か特別に期待してる訳ではないのですが、なんとなくです。案の定、特に珍しいお魚さんはいませんでした。特に意味がある訳ではないのですが、岸壁から見たハタタテ君を撮影してみました。

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左側にかごぐくたの手が写りこんでいます。

   なんだかさびしい水揚ですが、セミエビ君?はかわいいですからよしとします。しかし、「三兎(=観賞用お魚さんとり、食用お魚さん突き、写真撮影)を追うものは、一兎をも得ず」ですね。素朴な疑問ですが、なぜウェットスーツにはポケットがないのでしょうか?



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