第2回室戸征伐−リベンジならずサザナミヤッコ−2007年9月22

1日目

   2007年9月22日(土)〜23(日)、第2回室戸征伐に行って参りました。今回は家族連れです。といういことで、今回はキャンプではなく、海洋深層水露天風呂つきのホテル明星(あけのほし)さんに泊まりました。

   当初、漁場をどこにしようか悩んでいたのですが、ホテルのすぐ裏がそこそこよさそうに見えたので、ホテルの裏を攻めることにしました。気のせいか、前回よりも波があるような気がしましたが、ホテルの人に聞くと、いつもとそんなに変わらないような感じでした。ホテルのチェックインが15時ですので、2時間そこそこの勝負です。いそいそとウェットスーツに着替えて戦闘開始です。

   水に入ってみると、かなり浅いです。第一回室戸征伐の漁場は入ってすぐにそこそこの水深があったのですが、ここはかなり浅く、石や岩もなんとなくツルツルしています。ひょっとしたら干潮時にはタイドプールになるぐらいのところかもしれません。ただ、サザナミ君は比較的浅いところにいますので、当初は浅いところをうろうろしていましたが、めぼしいお魚さんもいませんので、多少波は荒いものの、沖に向かうことにしました。

   しばらく沖に行くと、いくつかの岩が水面に出ている地点があり、そこを超えると、沖エリアとなり、深くなっていました。沖エリアにはいつもおなじみの緑や茶色の巨大なブダイ君達が泳いでいました。しばらくその辺をうろつこうかと思いましたが、波の勢い(潮の流れ)が強く、ひょっとしたら沖に流されるのではないかと思いましたので、岸側に引き返すことにしました。先程の沖と岸の境目の岩礁地帯に来たときに、大きな波が来てせっかく前日に新調した手作り網を落としてしまいました。当然探しますが、ここは沖と岸の境目の岩礁地帯、波は荒く、常にサラシが出来ていますので、視界不良、波荒らしの危険地帯です。実際に、根性で岩につかまって踏ん張ったりもしてみましたが、大自然の大いなる力の前には人間の力など、無に等しく、今にも投げ出されそうです。ここでこの手網をなくすということはこの先の漁獲はほぼ期待できないということを意味します。しかし、ここで波にあおられたらただじゃすまんなと思い、非常に迷いましたが、泣く泣く名誉の撤退をすることにしました。冷静に考えれば当たり前の結論なのですが、現場にいると、「せっかくここまで来て、まだ潜り始めたばかりなのに。」などと思えてきますから、注意が必要です。

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捕獲されたタコ君(生前)

   こうして、岸側の多少波の落ち着いたところに戻ってきました。そのとき岩の割れ目に何かを察知しました。タコ君です。しかもでかいです。しばしにらみ合いが続きます。前にも同じようなことがあり、そのときはタコ君に気合負けしています。(その様子はこちら。)やはり毒はないと判っていてもタコ君に素手で挑むのはなんとなく気後れがするものです。しかし、そうも言っていられないので、気合を込めて突撃します。右手を突っ込んで、タコ君を掴もうとするとタコ君が後ずさりします。穴の状況がよく判らないので、無理に手を突っ込んで、逃げられては元も子もないので、一旦退却します。そして、もりで捕獲することにします。この日は浮き輪に自転車に乗るときにズボンのすそが汚れないように止めるマジックテープでもりを付けておき、いざというときに使えるように曳航していました。今がそのいざです。よーく狙いを定めて、エイッとばかりにもりを放つと、タコ君は煙幕を張り、穴にろう城を決め込みます。しかし、もりは命中していますので、後は引き剥がすだけです。タコ君はもりの柄が曲がるほど強力にへばりついていますが、最後は右手を突っ込んで引き剥がしました。今回は勝利です。

(今回デジカメを持っていくのを忘れたので、写真はすべて携帯です。でも思ったよりまともに撮れています。)

   さあ、タコ君を獲ったのはいいんですが、本来は観賞用のお魚さんが目的です。そっち方面のお魚さんといえば、シマハギ君がいるぐらいです。1匹だけチョウハン君がいましたが、すぐに見失いました。自家製フレキシブル手網を失っていますので、残る武器は市販の丸手網と追い出し棒です。あんまり獲れる気もしないのと、大したお魚さんもいないので、徐々に岸に向かいつつ浅瀬に行きました。そこには名前はよく判らないのですが、ソラスズメとは違うよく見かける水色に一部オレンジの入ったスズメダイ系のお魚がそこかしこにいます。ボウズもいやなので、それらと遊んでいると、な、な、なんと、サザナミ君がいるではないですか。一見捕獲しやすそうなところに見えるのですが、大きめの石の下に隠れ、あちらからでたかと思うとこちらからでたりしています。ということは石の下に逃げられたらダメということで、石から引き離す必要があります。しかし、いつまでたっても離れず、最終的には見失ってしまいました。またしてもダメでした。

   でもここにいるということは、周りにもいるかもという安易な発想で周りを見渡すと、な、な、なんと、本当にいるではないですか。しかしそのサザ君は追い込む間もなくどこかに消えてしまいました。3匹目のドジョウならぬサザ君を探しましたが、この日は結局それ以上発見できずに、終了となりました。でもやっぱり室戸にはいますね。

   宿に帰ると、宿の人が私の姿を見つけて、「(どうせ何にも獲れなかったと思うけど、)なんか獲れました?」と聞いてくるので、タコ君を見せると、意外とばかりに驚いていました。かごぐくた的にはタコ君よりもサザナミ君1匹の方がいいのですが、そういったお魚さんに興味のない一般の人にはタコ君の方がインパクトはあったのでしょう。少しばかり鼻高々でした。

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茹で上げられたタコ君

   今回のタコ君は素手ではなくもりで獲っていますので、まだ生きてはいますが、虫の息ならぬタコの息です。早く茹でてあげないと、味が落ちます。宿のおばちゃんに言うと、喫茶コーナーのガスコンロを使ってもいいということで、鍋と塩をお借りして茹でることにしました。塩は味付けではなくヌメリを取るためですから、日本たばこ産業の一番安い塩でよかったんですが、お借りしたのは室戸の海洋深層水から作った高級塩でした。(お借りしたといっても、返す訳ではありませんので正確には頂いたということになります。)こんな高級塩でタコ君のヌメリをとるなんて贅沢です。ちょっとしたお金持ちの気分に浸れました。(もっとも本当のお金持ちはこんなことしないと思いますが。)

   今回のタコ君はちょっと大きいので、10分程度茹でましたが、ちょっと茹ですぎたようです。夕食時に足を2本ばかり切ってもらい食しましたが、ちょっと硬かったです。これは切り方もあるようで、翌日家に帰ってスライスして食べましたが、その方がうまかったです。それでもまだやや固めですので、今度は極薄造りにしてみようかと思います。(ちなみに柔らかくなるように、茹でる前に灰皿でたたいたんですが、ロビーで作業している手前、音が気になり思い切りたたけなかったのが敗因かもしれません。)


2日目

   2日目は午前に2〜3時間程度潜るつもりでしたが、以下の理由から結局潜りませんでした。

  1. 波が1日目よりもさらに高くなっている(沖のところどころに白波が立っている)
  2. (朝のうちだけだとは判っていても、)天気が今一
  3. 気がつくと追い出し棒もなくなっていた→従って、獲れる気がしない

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漁獲高(撮影後、フウライ君を追加ゲット)

   ということで、途中、徳島のホームグランドの漁港に水汲み&岸壁採集に立ち寄り帰ることにしました。(なんとなく水がよどんでいたのと、気合が足りなかったので結局水は汲みませんでした。)岸壁採集では獲れるお魚が決まってきますので、そんなにやる気はしないのですが、坊主もしゃくに触るので、とりあえずといった感じです。まず、ハタタテ君がいます。軽くゲットします。次にセグロ君がいます。見失いました。ナミ君とトゲ君がいます。2匹同時にゲットします。我ながら岸壁採集はうまくなりました。

   さて、岸壁採集で獲れるお魚が決まってくると書きましたが、それは大体、ナミ(君の敬称は省略。以下同様。)、トゲ、フウライ、アケボノ、セグロ、ハタタテ、ツノダシといった雑食性の面々で、トノサマ、スミツキ、ミスジといったポリプ食性の面々は見かけません。しかし、この日は初めて岸壁でトノサマを発見しました。あいにく障害物のあるところに隠れてしまい、それっきり出て来なくなってしまったので捕獲には至りませんでしたが、ある意味マンネリ化していた岸壁を少し見直しました。(3年前は岸壁の固定メンツが採集できれば大喜びでした。)

   結局、ハタタテ、トゲ、ナミ、フウライをゲットし、ハタタテ君を放流し、残りを持ち帰りました。見慣れた面々とはいえ、やはり小さいチョウチョウウオ君達はかわいいです。ナミ君、フウライ君はちょっと気弱なところがあり、今まで長期飼育は出来ていませんので、何とかしたいものです。



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