タコに気合負け−2007年8月18日−油断大敵/勝って兜の緒を締めよ

   2007年8月18日(土)、夏休み真っ只中。そろそろお魚さんも増えてきた頃だろうということで、出漁。

   場所はいつもの徳島南部のホームグランド。着くなりエントリーするも予想していたよりもはるかにお魚さんは少ないです。この時期になれば、ナミ、トゲ、フウライ、アケボノ等のメジャーなチョウチョウウオ君達がもっといるはずなのに、目にするのはナミ、ナミ、ナミ、トノサマ、その他といった感じで、トゲすらもあまりいません。フウライにいたってはシーズンともなればうるさいぐらいいるはずなのに、なぜかまったくいません。

   ということで、早くもテンションは下がっていくのですが、ここで、岩のスリットで何かが動きました。機敏な動きではなく、何かが湧き出すような動きです。見るとタコ君ではないですか。しかもかなり大きいです。と、ここで一気にテンションが上がります。もちろんテンションの種類は鑑賞モードから、食用モードに変わっているのは言うまでもありません。いつもは忘れがちな軍手も今日はちゃんとしています。タコ君の水深は2m程度。海面で呼吸を整えつつ、しばしにらめっこです。息を大きく吸い込み突撃です。まず、右手でグッとタコ君をつかみ引きずり出そうとします。しかし、タコ君も必死です。なかなか岩からはがせません。このままでは息が切れてしまうと思い、左手も突っ込みもろ差しとします。そして、足を岩に付け体重を乗せてエイッとばかりに引くとようやく穴から引っぺがすことができました。タコ君、2度、3度と墨を吐きます。しかし、そんな攻撃は私にはまったく効きません。ついにタコ君は水面まで運ばれて一巻の終わり・・・。

   となるはずでした。しかし、タイトルからもお解かりのとおり、実はこれには悲しい続きがあります。水面まで運んだタコ君を生簀に入れるべく生簀を用意している間も、タコ君は8本の手足を思いっきり腕に絡ませてきます。さらに、体色を激しく変化させ、頭の部分をイボイボにするなど、最後の威嚇を試みます。毒がないのは判っているのですが、さすがにちょっとひるんでしまい(というか、完全に気合負けです)、ちょっとタコ君をつかむ力を緩めてしまったかもしれません。と、その時歴史は動きました。なんとタコ君スルッと手から抜けてしまい、一目散に岩の下にもぐりこみました。私もすかさず追いかけ、隠れたと思われる穴を覗き込みます。とここで、歴史のいたずらとでも言いましょうか、なんとそこには大きなガシラ君がいるではないですか。タコ君も欲しいし、ガシラ君も欲しい。こう思った瞬間に勝負は決まっていたのでしょう。一瞬ガシラ君に目と心を奪われた隙に、タコ君を見失ってしまいました。当然ガシラ君もゲットできなかったのは、これまた言うまでもありません。さらば、たこぶつ、ガシラの刺身。ウサギではありませんが、正に、「二兎を追うもの一兎をも得ず」です。やはり、何事も安心して気が緩んだときが一番危ないということを人生の教訓として学びました。ということで、タコ君、ガシラ君に感謝です。なんて思えるほど、人間ができていませんので、この後のへこみ方は自分で言うのもなんですが相当ひどかったです。

   意気消沈し、もういいやということで、撤収しがてら、途中赤ウニ君を発見しましたので、仮に捕獲しました。しばらくして、もう1匹発見しました。当然捕獲して生簀に入れようとしたところ、生簀がありません。それ自体はショックなことですが、ウニ君1匹しか入っていませんでしたので、さほど気にもせず、じゃあ、このウニ君も逃がすかと思い、放流しました。すると、その直後に、なくした生簀を発見。しかし、今度は今放流したばかりのウニ君を見失いました。弱り目に祟り目と言いましょうか、ダメなときは何をやってもだめなんだなと思い知らされました。その後もう1匹ウニ君を発見しましたので、結局2匹だけ持って帰りました。しかし、帰って割ってみると、1匹には身が入っていませんでした。(入っていた方はおいしかったです。)

   最後に波打ち際で小さなチョウハンを発見。しかし、今日のここまでの出来事を考えると、多分捕獲できないと、最初からあきらめモードです。既に負けています。はたして、やはりダメでした。

   ということで、今回は写真もありません。タコ君に最後まであきらめてはいけないということと、油断大敵という人生の貴重な教訓を教えられましたので、よしとします。(もちろんただ、悔しいだけです。)

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