丸山弁護士参院選に立候補−なめとんのか!−2007年6月19日

   テレビでお茶の間で人気の丸山弁護士が自民党から参院選に立候補するそうです。それ自体は別に問題はないでしょうし、むしろ彼のように弁護士として経験を積み、世の中のことをよく知っている人が政治に携わることは好ましいことでさえあると思います。

   しかし、言っていることとやっていることが見事にかみ合っていません。彼の記者会見を聞いて疑問に思うのは、自分的には丸山党であり、自民党でも民主党でもよかったと言っておきながら、自民党の比例区から出馬するという点です。ならばなぜ比例区ではなく、無所属として選挙区から出ないのでしょうか?その上で、上記の発言をするのならばまったく問題ありません。

   比例区というのは政治家個人に投票するのではなく、政党に投票する制度です。その比例区から出馬する以上、自分の考えと政党の考えが違うなどとは言えないはずです。さらに、ライバル政党でもよかったなどというのは理屈が通りません。よく、問題を起こして政党を離党する場合に、比例区で当選しているのなら議員辞職すべきであると言われるのはこのためです。制度の趣旨を理解しているとは思えません。

   どうもこういうことを考えると、彼は単に目立ちたいだけのたちの悪いおやじのような気がします。東京都知事選の際も立候補に必要な書類を取り寄せるなど、明らかに立候補したかったようです。情勢を考えるととても勝つ見込がなかったのでやめたといったところでしょう。しかし、今回は大政党の比例ですから、確実に当選します。だから出たのでしょうし、当選するならどこの政党でもよかった訳で、一番確実な自民党を選んだというようなところでしょう。さもなければあのような発言は出てきません。本当に自分の主義、主張に基づき、政治を志すならば、選挙区から出るのが筋というもんです。国会議員という肩書きが欲しかっただけなのではないでしょうか。

   自民党も自民党です。自党の候補者の出馬会見で民主党でも別によかったなどと言われてよく平気でいられるもんだと思います。即刻出馬取り消しぐらいのことをしてもいいくらいだと思います。それをしないのは彼を立てることで、比例区に票を集められると踏んでいるからでしょう。

   丸山弁護士にしても自民党にしても、政権交代となる大事な節目の選挙で、選挙戦略だけで動き、理念が置き去りにされています。大事なのは理念であり、これを忘れた単なる選挙戦略は国民の心に届かないと思います。郵政選挙で小泉政権が圧勝したのは、いい悪いは別にして、小泉前首相が己の政治理念を貫き通した姿が国民受けした(ある意味心に届いた)からです。結果的に大勝利となりましたが、選挙前は誰もあのような大勝利は予想していませんでした。こんなことを繰り返していくうちに誰も政治を信用しなくなります。

   割と好きなキャラだっただけにがっかりしました。


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