今期2回目の出漁−マイクロトノサマゲット−2008年10月12〜13日

   2008年10月12日、13日、徳島県最南部のホームグランドへ家族+嫁の友人で一泊してきました。既に10月中旬で、採集は後一月程度とおしりが迫ってきているにも関わらず、今期はここまでまだ一回しか出漁していません。時期的には正に最盛期、おのずと期待で胸がふくらもうというものです。


   1日目前半

   素潜り採集ですので、あまり潮の干満は関係ないのですが、とりあえず干潮時間に間に合うように家を8:00に出発します。約二時間で漁場到着。ちょうど干潮です。急いでウェットスーツに着替えて戦闘開始です。

   しかし、急ぐと必ず忘れ物をするものです。ある時は軍手、ある時はバケツ、またある時は生け簀といった具合です。今回はモリを忘れました。純粋に観賞用のお魚さんだけを狙っている方からすれば、邪道かもしれませんが、かごぐくたは観賞魚だけでなく、食用魚も狙っていますので、いつもモリも携行しています。そのため、いつも携行品が多くなるため、ひもを付けた浮き輪に使わないものを乗せて、腰に結んでいます。(下記図1参照。絵は説明のために判りやすくしたもので、実際の海中の様子とは異なります。)浮き輪もタイヤのチューブとかであれば、プロっぽくて格好いいのですが、かごぐくたのは幼児用で、かわいらしいお魚さんやワニさんが描いてあります。冷静に見ると、いい大人がする格好ではないです。しかし、陸からはどこにいてもすぐに判るというメリットもあります。

picture.jpg(30213 byte)
図1

   前置きが長くなってしまいましたが、水温はまだまだ夏で、まったく冷たくありません。開始早々、水深50cm程度の波打ち際でナメラヤッコを発見しました。ナメラヤッコは過去何度か目撃していますが、こんなに浅瀬で目撃したのは初めてです。千載一遇のチャンスとばかりに石の裏に隠れたところを石ごと網をかぶせて石を動かしますが、ナメラ君の姿は消えていました。普通ならかなり落ち込む場面ですが、まだ開始早々ですので、それほどダメージも受けず、先に進みます。

   透明度はまずまず。さすがに最盛期とあって、お魚さんはたくさんいます。チョウチョウウオではナミ、フウライ、トゲ、アケボノ、セグロ、ミスジ、ニセフウライ、トノサマダイ、スミツキトノサマダイ、ヤリカタギ、チョウチョウウオ以外ではホンソメワケベラ、アブラヤッコ、クマノミ等々。これだけいるといくらでも採れそうですが、そうは問屋が卸しません。

   まずは採りやすそうな所にいるやつに狙いをつけて潜行しますが、すぐに察知され、珊瑚に逃げ込まれたり、うまく逃げられます。まあ、いつもの通りです。そんなに簡単にはいきません。それでも何回かに1回は後一歩のところまで行きますが、やはりなかなか捕獲には至りません。

   坊主は避けたいので、確実にと思い、比較的簡単に捕獲できるクマノミ君を探しに行きます。珊瑚イソギンがあると大体クマノミ君がいますので、イソギンを探します。蛍光色に輝く美しい珊瑚イソギン発見。やはりいました、クマノミ君。しかし、巨大です。焼き魚にできそうなくらい巨大です。さすがにこんな大物には用がないので、見るだけにして次を探します。しばらくすると、3cmぐらいのちょうどいいサイズのクマノミ君発見。この時点で半分捕獲したようなもんです。という奢りからか、すんでのところで、するりと待ち網をかわして逃げてしまいました。さすがにちょっとへこみます。その後はなかなか発見できず、結局安牌扱いしたクマノミ君に遊ばれてしまいました。さらにイソギン自体も採りやすいのがなく、結局採れずじまいでした。

   こうしてクマノミ君に見切りをつけ、チョウチョウウオ系へとターゲットを変更します。岸壁で捕獲可能なやつは岸壁で採る方が遙かに簡単なので、無視します。従ってターゲットはミスジ、トノサマ、スミツキ、ヤリカタギといったところです。しかし彼らは基本的に珊瑚に着いていることがほとんどですので、捕獲は困難を極めます。他の採集家の方は比較的簡単に捕獲されているようですが、この中でかごぐくたが捕獲したことがあるのはトノサマのみです。

   珊瑚地帯では普通に岩穴に追い込んで隠れたところを追い出し棒で追い出すという方法は通用しません。今回は珊瑚トラップ作戦を試みました。珊瑚トラップ作戦とは、適当な大きさの珊瑚あるいはその死骸を置いて、そこに来た獲物を珊瑚ごと網に入れて捕獲するという方法です。もちろん生きた珊瑚を使用する場合は付着している石ごと簡単に動かせるもののみで、珊瑚を折ったり、無理矢理はがしたりするようなことはしません。この方法は理にかなったいい方法なのですが、なかなかトラップに来てくれないという欠点があります。この点さえクリアすれば、効率的に捕獲できますが、なかなかクリアできません。いくつか仕掛けて待っていなければなりませんが、どこに仕掛けたか判らなくなってしまいます。

   今回たまたま3回うまくいきました。1回目はミスジ君とセグロ君が罠にはまりましたが、セグロ君のみゲット。2回目はトノサマ君です。水面から目視したトノサマ君には逃げられましたが、偶然、マイクロサイズの別のトノサマ君がおり、こちらをゲットすることができました。ただ1cmにも満たない小ささで、ちょっと小さすぎて「うまく餌付けできるかな?」なという感じです。3回目はミスジ君です。これはうまくいって水面まで持ってきましたが、網から生け簀に入れるときに逃してしまいました。痛恨です。

segurotonosama320x240.jpg(57831 byte)
セグロ君とマイクロトノサマ君(クリックで拡大)

   結局、ここまでで約2時間半。疲れたので、終了することとしました。


   1日目後半

   宿にチェックインしてしばらく休憩していると、子供(3歳児)が外に行きたいというので、岸壁調査をかねて近くの漁港へ繰り出しました。子供がいるので、子供に注意を払いつつ岸壁をチェックします。あまりめぼしいものはいません。いるのはいつものトゲ、フウライ、ハタタテ、ツノダシ、セグロといったところです。こう言っては失礼ですが、正直、あまり力が入りません。

   それでも、大の大人が直径80cmの網をもって漁港をうろついていると、必ず「何しとるんえ?」(←徳島弁で「何をしているんですか?」)と聞かれます。口で説明するのも面倒くさいので、とりあえずハタタテ君を掬っておきます。ここら辺は余裕ですね。(本当は今水槽にいないフウライ君にはちょっと本気で捕獲を試みたのですが、こちらは結局掬えませんでした。)

hatatate320x240.jpg(77718 byte)
水槽でくつろぐ?ハタタテ君(クリックで拡大)

   堤防にはイカ釣りの人やアジ釣りの人が多く出ていました。ここら辺は透明度が高いので撒き餌に群がるお魚さん達がよく見えます。地元ではなかなかこうはいきませんが、水中では同じことが起こっているはずです。撒き餌を巻くとものすごい数の小アジ君が沸いてきます。正に沸くといった表現がぴったりです。別にここまで来て小アジ君を捕獲してもしょうがないのですが、網を水につけておいてオキアミを撒くと、沸いた小アジ君を掬うことができます。おもしろいので、何回か掬ってみました。さすがに小アジ君も警戒してなかなか網に近寄ってこないのですが、中には食い意地の張ったやつがいて、1回につき数匹は掬えました。掬ったアジ君はアジ釣りのおばちゃんに進呈しました。

   そうこうすると、アジ釣りのおばちゃんのサビキにハタタテ君がかかりました。食い意地の張ったハタタテ君ですね。ハタタテ君が釣れたのを見たのは初めてです。別に欲しかった訳ではないのですが、勝手にくれました。

   そういえば、当初は子供が一緒なので、ちょっとチェックするぐらいしかできないと思っていましたが、「海に落ちたら死んじゃうよ。」という脅し文句を信じたのかどうか、思った以上にいい子にしており、我が子の成長を感じました。今ぐらいが一番かわいい時かもしれませんね。


   2日目

   1日目に思いのほか疲れてしまいましたので、2日目は潜るのはやめました。年かもしれません。ということで2日目はアジ君を釣りながら、足下に何かめぼしいお魚が来たら掬うことにしました。

   結論から言うと、観賞用のお魚収穫0、アジ君大漁でした。アジ君は基本的にサビキで釣りましたが、こちらは入れ食いです。こればかりではつまらないので、浮き釣りもすることにしました。餌はにおいと味でもはやワームとは言えないと言われている禁じ手のGulpのサンドワームです。実際にこれを疑似餌としてではなく餌として使って釣れるのかを実験してみました。

   釣れましたね。確かに。まあ、サビキでは入れ食い状態ですので、ひょっとしたら空針でも釣れたのかもしれませんが、サンドワームがちぎられて小さくなるとあたりがありませんでしたから、やはり餌として認識しているのだろうと思われます。今度地元でも試してみます。しかし、フロートリグにケミ蛍を入れてサンドワームで釣った場合、ルアー釣りでしょうか、餌釣りでしょうか?



button-home1.gif(2167 byte) button-back1.gif(2150 byte) button-top1.gif(1848 byte)
inserted by FC2 system