南宇和海遠征−巨大イシガキフグの逆襲−2008年08月7〜9日

   2008年8月7日(木)〜9(土)、家族+同僚カップルで愛媛県最南部の南宇和海へ遠征しました。過去の経験から、一泊二日では、一日目はほとんど潜れないし、二日目は帰る当日に二日酔いの状態で潜ることになり、ろくなことがないということを学習していますので、今回は余裕を持って二泊三日としました。

   ところで、一昨年、足摺岬に行ったときは高知回りで、高速を降りてからかなり(100Kmぐらい?)あったため、かなり遠いイメージがありました。今回は松山経由で下道は60〜70Kmと、大して変わらないのに、なぜかそんなに遠いという感じはしませんでした。慣れたんでしょうか?とは言っても現地に着くと早、夕方といった感じで、これから潜るといった気にはなれません。



【1日目】

   ということで、一日目は風呂に入って、飯食って、酒飲んで明日に備えます。今回お世話になったのは「シーサイドとらや」さん。シーサイドと言うよりシーフロントですね。場所は文句なしです。外観はちょっときている感じですが、中は普通に清潔で、手作り感あふれる露天風呂はなかなか気持ちよかったです。料理も普通においしいですし、宿の方も親切でなかなかよかったです。



【2日目】

   ということで、メインの二日目。ホテルの前の船着き場から島に渡ります。島までは15分程度。島に到着すると、適当に漁場を決めてとりあえず潜ることにします。水の透明度はまあまあ、ちょっと風がありますが、潜ってしまえば別にどうということはありません。

   一見した感じではあまりめぼしいお魚さんはいません。特にチョウチョウウオ系はナミチョウがいるくらいで、その他はわずかにフウライの小さいのがいる程度です。せっかく四国の最果ての地まで来ているのに・・・。早くもダメモードに入りつつもまだあきらめきれずにいろいろ探し回りますが、基本的に大したお魚さんはいません。時折、成魚と化したキンチャクダイ君がいます。親がいるなら子もいるはずと思い、岩の隙間や穴などを覗いていきますが、子は全く発見できません。途中、ミナミハコフグ君の幼魚を1尾捕獲しますが、結局、大したお魚さんは発見できず、観賞魚の部では、捕獲するには大きすぎるクマノミ君、捕獲は試みるも失敗に終わったホンソメワケベラ君を見たぐらいでした。どうやらまだ時期が早すぎたようです。

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ミナミハコフグ君(クリックで拡大)



   一方、食用魚の部では、なぜかやたらとウツボ君に出会いました。ウツボ君、トラウツボ君、さらに名前のよく解らないウツボ君と、ウツボワンダーランドです。その中でひときわ大きなウツボ君を捕獲することにしました。よーく狙いを定めて、銛を発射すると、見事命中。しかし、ウツボ君の場合はここからが大変です。クネクネして、穴に潜り込んでなかなか引き抜くことができません。ここで、無理をしては土左衛門になってしまいますので、一旦水面に上昇します。そして再び海中へ潜り、何とか引き抜くと見事、引き抜けました。引き抜かれたウツボ君はただでさえ怖い顔に怒りをあらわにするかのように銛の先に巻き付きます。ちょっと見、棒の先にウ○コがついているようです。本来ならば、腰に付けた袋に入れるところですが、下手に触って噛まれるのもいやなので、そのまま岸まで戻ります。

   岸に着くと、同僚H氏は既にあがっており、かごぐくたも軽く波酔いしてきたので、午前はこれにて終了としました。

   さて、昼食をすませて午後の部に突入する訳ですが、波打ち際においておいた、棒の先のについたウ○コを袋に入れようとしたところ、なんと、ウ○コが消えていました。恐るべき生命力です。

   ということで、観賞用のお魚さんがいない以上、何らかの水揚げがほしいので、何かを求めて潜りますが、やはり大したものはいません。結局、大して大きくもないトラウツボ君と結構大きな25cm程度のガシラ君を捕獲するのみでした。(両方ともホテルで調理して頂き、おいしく頂きました。)

   途中、海の中で、H氏がなにやら大きなフグにちょっかいを出しています。でかいです。水の中では大きく見えるものですが、それにしてもでかいです。大きなイシガキフグ君です。でもかごぐくたはイシガキフグ君には関心がないので、すぐに別れます。

   一通り探索した後、岸に戻ると、H氏がなにやら騒いでいます。

H氏:「フグに噛まれました。」
かごぐくた:「???噛まれたって、どうやって?」
H氏「持ったら噛まれました。」
かごぐくた:「???」

   状況がよく飲み込めなかったのですが、目の前には流血のH氏と巨大イシガキフグ君がいますので、何か事件が起こったことは解ります。(イシガキフグ君は地上で見ても巨大で、今思い出しても70cmぐらいはあったと思います。)よくよく聞くと、どうやら、よせばいいのに、例の巨大イシガキフグ君を岸までもって帰り、両手で持ち上げようとして、こともあろうか口に指をかけ(かかった?)た瞬間にフグ特有のカミソリのような二枚刃(歯)が襲いかかったとのこと。はっきり言ってあほですね。どーせ、彼女に見せびらかそうとしたんでしょう。情状酌量の余地なしです。

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イシガキフグ君と流血のH氏 イシガキフグ君 よく見ると結構かわいいイシガキフグ君

   写真でお判りの通り、H氏の指からは血がしたたり落ちてとても痛そうです。実際、痛かったそうです。そりゃそうですね。今回は幸い、けがですみましたが、一歩間違えば、冗談抜きで指がとんでいたかもしれません。最近はやくざでもなかなか指を摘めるようなことはしないと聞きますが、もしとんでいたら、特定の業界以外はもう転職は無理になっていたかもしれません。不幸中の幸いですね。「H氏、無用な殺生はしたらあかんよ。海の生物をなめたらあかんよ。」と思いつつ、これを「もって他山の石として」心に刻むかごぐくたでした。

   しかし、ある意味そんなに軽いけがでもないので、二日目はこれにて終了とし、H氏は地元のおじさんに付き添われて病院に行きました。地元のおじさんもお医者さんもフグにあたったというのは聞いたことがあるけど、噛まれたというのは初めてだと言っていたそうです。やっぱりあほですね。



【3日目】

   3日目は帰る日ですので、潜るといっても午前の2時間がいいところです。H氏はイシガキフグ君にやられて朝8時に病院へ行かなければなりませんので、当然潜りは不可です。ということで、かごぐくた一人でホテルの前の海に潜ります。

   基本的には2日目と同様、チョウチョウウオ系はナミチョウぐらいで、大したものはいません。しばらく泳いでいくと、ハシナガウバウオ君があちこちにいます。このお魚はまだ捕ったことがないので、とりあえず捕獲することにしました。よく見ると、頭部が扁平なやつと扁平でない代わりにくちばしが尖ったやつがいます。扁平な方は見方によってはゴンズイっぽいので、くちばしの尖った方を捕獲します。あまりすばしこくないので、楽勝です。これでとりあえず坊主は回避しました。

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ハシナガウバウオ君(扁平タイプ)(クリックで拡大)
よく見ると結構かわいい    通称にょろにょろさん



   またしばらく周遊しつつ、時折岩の下などを覗いていると、オトヒメエビ君を発見しました。こちらも捕獲は楽勝です。

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オトヒメエビ君(クリックで拡大)



   ここでオトヒメエビ君を携帯生け簀に入れようとしたとき、先ほど捕獲したハシナガウバウオ君の姿が見えません。???。どうやら、生け簀の穴から逃げてしまったようです。恐るべしです。逃げてしまったものはしょうがないので、もう一度捕獲します。今度は扁平タイプとお口とんがりタイプを1尾ずつ捕獲し、携帯生け簀ではなく、細かい網の袋に入れます。観賞魚の部は以上です。

   食用の部でも小さなイシガキダイとハゲ(=カワハギ)のみで大した水揚げはありませんでした。

   これにて今回の南宇和海の旅はすべて終了です。最後に出発準備中に生け簀につけておいたお口とんがりタイプのハシナガウバウオ君はやはり生け簀から消えていました。見た目以上に細いんですね。



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