十港十色?−トノサマ君、チョウハン君ゲット−2007年11月15(土)

   「十人十色」とは、人が十人いれば、十通りの性格があるという意味ですが、これと似たようなことが(漁)港にもあるもんだということを感じました。

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アケボノ君   (クリックで拡大)
2日目にしてフレーク餌をバクき、既に本水槽です。
検疫水槽のチョウハン君   (クリックで拡大)
アケボノ君に比してなかなか餌付いてくれません。

   2007年11月15日(土)、この日は朝からゴルフです。従って、本来採集不可の日ですが、この日のゴルフ場から車で10分ほどの所にNBS漁港があります。ここは先日アケボノ君を採集し、時期によって採集が可能であることを再認識した場所です。(そのときの様子はこちら。)ゴルフは15時ぐらいには終わりましたので、ちょっとだけ覗いて帰ることにしました。

   前回の探索で既にここにはアケボノ君がいっぱいいることは判っています。ちょうどと言うかあいにくと言うか、餌付け作業を手抜きしたことから前回ここで捕獲したアケボノ君2匹を死なせてしまいましたので、今回はアケボノ君狙いです。潮時は今正に満潮といった感じですが、水は比較的澄んでおり、よく見ると結構底の方まで見えます。ただし、この時期の15時と言えば、夕方の様相を呈し始め、太陽光線も弱くなり、見辛いことは間違いないです。

   まず、漁港水揚げ場の右手の岸壁から見ていきます。前回はここで5匹ぐらいのアケボノ君を確認しています。しかし、この日はまったくいません。端まで行って戻ってきますが、いません。水温はまだ20度以上あるはずですので、まだお亡くなりになることはないと思うのですが、既にどこかに行ってしまったのでしょうか?

   次に、水揚げ場の正面の岸壁を見ます。しばらくすると、500円玉サイズのフウライ君がいます。家には1円玉サイズのミニフウライ君がいますが、もう1匹ぐらいいてもいいので、捕獲を試みます。フウライ君は一見捕獲し安そうな所にいるのですが、敵もさるもので、よく見るとケーソンの継ぎ目の割れ目から出たり入ったりしています。何とか割れ目から出てくるのを待ちますが、なかなか出てきません。こう言っては失礼なのですが、フウライ君1匹にそんなに時間をかける訳にも行きませんので、割りにすぐに諦めます。

   少し進んで、前回いた少し大きめのチョウハン君はいるかなと思いながら探していると、少し場所はずれていますが、ちゃんといました。しかし、前回よりもずいぶん成長したようで、水の中では10cm弱ぐらいに見えます。さすがにこれぐらいになると、警戒心も出てきて、網を入れるとすぐに障害物の陰に隠れ、なかなか捕獲可能な場所には出てきません。サイズ的にもあまり捕獲する気もしないので、ちょっとやってすぐに諦めます。一緒にアケボノ君もいたのですが、チョウハン君につられるようにすぐに隠れてしまいますので、こちらも諦めます。

   また、しばらく行くと、今度はペアのアケボノ君が採りやすいところにいます。おもむろに網を入れて捕獲を試みます。岸壁と網の間が30cmぐらいまで詰ってもまだ網の中心にいますので、ほぼ捕獲です。ここから一気に岸壁に向け手網をかぶせます。2匹まとめて入ったはずです。しかし、上げてみると何も入っていません。どうやら、引き上げるときに多少雑にしたために、逃げてしまったようです。ちょっと舐めすぎたようです。この反省から、次の1匹(アケボノ君)はしっかりと網の中心部に魚が移動したことを確かめてから引き上げ、見事ゲットです。

   さてさて、いつものことですが、漁港で大の大人が直径80cmもの玉網を持ってうろうろしていると、必ずと言っていいほど、「何獲っとるんえ?」と聞かれます。既に何かを捕獲している時なら、「こういうきれいな魚を獲ってるんですよ。」と言って多少得意げに現物を見せることができるのでいいのですが、まだ何も捕獲していないときには説明が面倒くさいです。実際にこの日も、捕獲前に1度、捕獲後に1度声をかけられました。捕獲前の人には一応説明しましたが、あまり関心なさそうでした。捕獲後の人には現物を見せたので、「こんなんが居るんえ?」と言って、ちょっとびっくりしていました。ちなみにこの人はここの漁師さんと思われますが、「ほら、あそこに居るでしょ。」と言ってデカチョウハン君を指しますが、「目ー悪いけん、見えんわ。」ということでした。熱帯性海水魚などに関心がないから見分けがつかないという意味なのか、本当に目が悪くて見えないのかは定かではありません。お年を召した方なので、その両方かもしれません。

   例によって、話が完全に横道にそれましたが、先程のフウライ君のところに戻ると、相変わらずフウライ君は割れ目の中を出入りしているのですが、その横に500円玉サイズのチョウハン君がいます。チョウハン君はかごぐくたががホームとしている県南の漁港では見かけたことがなく、岸壁採集ではまだ獲ったことがありません。潜っては2回ほどありますが、いずれにしても意外にも珍しい部類です。それは岸壁になかなか居ないからだったのですが、岸壁に居るのならば、こっちのもんです。しかし、フウライ君同様、割れ目周辺をうろうろしています。割れ目に入られてはお手上げです。予め網を近づけておき、注意深く観察し、割れ目から離れるのを待ちます。運よく割れ目から15cmぐらい左に出てきました。この時点で網は割れ目の右で待機していますので、割れ目に戻らないように牽制しながら、網をかぶせることに成功しました。しかし、網の右半分に割れ目がかかっています。せっかくかぶせても割れ目に逃げ込まれてはもとも子もありません。急いで網を左に平行移動します。岸壁はツルツルな訳ではなく、かつ、水の抵抗もありますので、言うほど簡単ではないのですが、何とかことなきを得ました。ここでも先の反省から、しっかりとお魚が網の中に入ったことを確認してから引き上げました。岸壁採集初のチョウハン君です。やはりナミとは違い色合いが濃く、かわいいです。これにて1時間ばかりの軽い採集は終了です。

   さて、タイトルの十港十色ですが、このチョウハン君の件でもお解かりの通り、各漁港には付くお魚に特徴があります。例えば、かごぐくたのホームの県南の漁港ではナミ君、トゲ君、フウライ君、ハタタテ君、セグロ君等がよく見られますが、ここでは圧倒的にアケボノ君が多く、ホームでは見られないチョウハン君も見られますが、ハタタテ君などは見かけません。また、聞いた話では県南のある漁港では圧倒的にセグロ君が多いそうです。やはり何か条件があるんでしょうね。興味深いです。

   前回、今回でここを開拓したことによって、岸壁で捕獲できるお魚についてはほぼ完璧にカバーできたようです。岸壁採集と潜り採集を比べると、潜り採集の方が比較にならないくらい難しいです。もっとも一口に潜り採集と言ってもいろんなスタイルがあるようですが、かごぐくたの場合は背のつかない場所が多いですので、難しいのは当たり前です。ですから岸壁採集で捕獲可能なお魚は岸壁にて捕獲するに限ります。ポリプ食性のチョウチョウ魚君やサザナミ君がつく夢のような岸壁があればいいのですが。



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